Los Angeles

「 息子に連れてってもらいました。」


 

この夏、また息子と二人だけで旅行しました。
そのときの旅行記をかいつまんですでにお伝えしたのですが、
あまりに はしょったために、われわれの感激は伝わらなかったようなので、
すでにblogで紹介したものをここでご覧頂きます。

すでにご覧になった方は、↓のブックマークで11.帰国というところへ飛んでください。
これは未発表のものです。

11日間の旅行記でいささか長いです。

小さな目次をつけておきましたので、少しずつ読んで頂いてもいいかと思います。
2日目からはブックマークをつけてありますので、ご利用ください。

  1. 出発
  2. ユニバーサル・スタジオ
  3. 買い物
  4. バーベキュー
  5. ガラスの教会
  6. サン・ディエゴ
  7. ナッツ・ベリー・ファーム
  8. グランデ・キャニオン
  9. 災いは忘れた頃に・・
  10. ハリウッド
  11. 帰国

出発日(7月14日)


6月初旬から9月の中頃までという長い夏休みをどう過ごすか毎年頭が痛いです。

息子が小さかった頃は、毎日のように海へ連れて行ったり、
サッカーごっこをしたり・・・
最近は自分の体力の低下もさることながら、
どんどん成長している息子に、何かひとつでも生涯の思い出に
なるようなことをしておきたいと思うようになり、昨年初めて息子と二人っきりでロンドンへ行ってきました。

それがいい経験になったので、
今年も暗黙のうちに二人きりでの旅行が夏休みの間の不可欠のイベントになりました。

昨年来、「来い来い・・」と言ってくれる友達もいたので、
その友達の住む、Los Angelesへ行くことにしました。

13歳半の息子にはやはりアメリカは一度は行ってみたい憧れの地でした。

昨年は、近いとはいえゆうに16年ぶりの外国旅行で、しかも旅行代理店に頼るのではなく、
チケットの手配からホテル探し、ロンドンの田舎の空港からの足や、
市内での交通機関などを全部自分で調べて独力でやり遂げました。

それだけに昨年は気合が入っていたのですが、
今回は行き先がアメリカで、息子もブリティシュイングリッシュは苦手ですがアメリカ英語はそこそこ話せるので、
しかも今回は、友人が空港で待ち受けていてくれる、
その後の滞在期間中も彼女が家族ぐるみで面倒を見てくれると言うので、
いささかのんきに構えていました。

自分の規格はずれののんきさに気が付いたのは、
飛行機の中で、入国の為の書類に記入し始めたときからです。
なんと自分が行く先のホテルの名も住所も知らなかったのです。

もちろん友人はメールで知らせてくれていたのに、それをどこにも控えずに出発したのです。

入国用の書類にはカリフォルニア州ロサンジェルス・○○市とだけ書いておきました。
10日間の滞在で、帰りのチケットの予約もあったので、それで問題なく入国できたのですが、
いつもの自分らしくないと反省。

とにかくアメリカの航空会社だったので、飛行機に乗った瞬間から米語です。
機内にはイタリア語がわかるスチュワーデスがいると言うことでしたが
私たちのところへは回ってきませんでした。

まぁ、機内での会話と言えば飲み物の種類を聞かれるくらいですから私でも
何とかなるわけですが、「サンキュー」というところで、
どうしても「グラッツェ」がでてしまい息子にしかられていました。

それにつけてもローマの空港でのアメリカ行きの乗客に対する荷物検査は大変でした。
あっさりと中をあけて調べてくれたほうが早く済んだと思えるほどです。
先ず、空港のなかにアメリカの航空会社のカウンターへ行くところで検問があり、
航空券を持っていない人以外は立ち入り禁止です。
機関銃を持った兵士や憲兵達ががんばっていました。

そして目指す航空会社のカウンターの直前にさらにセキュリティーの人達がいて、長い尋問が始まりました。
-この荷物はいつ作ったのか?
-どこでつくったのか?
-空港へどのようにしてやってきたのか?

などなどですが、横柄で猜疑心に満ちた担当者の態度にいささかむっとしながらも、
旅立つ楽しさが何とか私をいつもより柔和にさせていたのでけんかはしませんでした。(笑)



超満員の飛行機に先ず11時間乗ってAtlantaに着きました。
コカコーラの町Atlanta.
大きな空港です。
ここで国内線に乗り換えます。
なんと幸いにもイタリア語が巧みなアシスタントの年配の黒人紳士がいて楽しく乗り次ができました。

1時間ちょっとの乗り継ぎ時間待ちを経て、今度はロスまで4時間半。
ロスの空港に着く寸前、またもや自分のぶっちぎれののんきさに気がつきました。
なんと、迎えに来てくれる友人の電話番号さえ持っていなかったのです。
友人を信頼しきっていたのは確かですが、それにしてもどちらかが遅れることだってあれば、
空港内で行き違うことだって十分考えられるのに・・・
こんな頼りない母親との旅行、かわいそうな息子です。


友人はちゃんと待っていてくれました。
約1年ぶりに抱擁しました。
(欧米では普通の挨拶の仕方です、念のため。)

 




ユニバーサルスタジオ(7月15日)

さて、清潔で静かな長期滞在型のホテルで一夜を明かして、
ロス観光初日の今日は即ユニバーサルスタジオへ!

今回の旅行の主たる目的地です。

昨年もパリのディズニーランドへ行こうかという私の誘いに
ロンドンのSOHOへ行きたいといった息子。
今回も本場のディズニーランドには全く関心なし。

うわさに高いユニバーサルスタジオへ直行!!!

無料の高速道度を使って1時間ほどでしょうか?
興奮気味の私たちには余り時間の感覚もなく、あちこちを見回しながら、退屈する前に到着しました。

高速道路ですが、無料なので出入り口の料金所もなく、ごく何気なく入っていきます。
そして3〜4車線の道路の一番左側は、複数乗車の車専用通路です。

90%以上の車には運転手一人しか乗っていません。
そこで、二人以上乗っている人達に優先権を与えるべく、専用車線を作っているのです。

乗り合いをすることで車の台数を減らそうという当局の処置なのですが、
いかんせん、車は足代わりのアメリカではなかなか効果は上がらないようです。
その分われわれには好都合で、スイスイと進んでいきました。

広大な地下駐車場に車を置いて、先ずユニバーサルランドに入ります。
そこには数々のお店が両脇に並び、
装飾もなるほどというものばかりで雰囲気を高めていました。

そして、これがいよいよスタジオの入り口です。



早速記念撮影をするわれわれを、大きなカメラを持った人が
撮影しようとする友人のご主人を押しのけるようにしてバシャリ!

そしてすぐに小さなカードを渡してくれました。
つまりそれは商用で、その写真がほしい人は帰りに料金を払ってもらいうけるのです。
われわれはちゃんとカメラを用意していたので、そんな写真には興味はありません。
もう一枚撮ったときにも同じことを繰り返し、いささか憤慨した私は
もう一度カードを手渡そうとしたときに、先にもらったカードを一緒につき返しました。
すると息子が怒って、「何もそんな風にがっかりさせることはないじゃないか。」というのです。
「だっていらないもの。買う気なんかないんだから。」と私。
「だからって、そうあからさまにする必要もないじゃないか。」

言われてみるとそうかもしれません。
暑いところでその人なりに一生懸命働いているのだから、
気分を害するようなことをあえてする必要はなかったのかもしれない。
一途過ぎる日本人(私)の子供地味た面かもしれない、と反省したのでした。

通常の入場料は約50ドル、でも私たちはいろんなイベントに優先的に入れ、
しかも今年中に戻ってくると無料で再入場できるという特典付きのチケットを
約100ドル出して購入しました。
(もちろん今年中に戻ることなどありえませんが・・・)

炎天下でイベントごとに長い列を作って待つのは疲れるし、
今日一日でできるだけたくさん見たい私たちには約倍額のチケットが
入場後、かなりの威力を示してくれました。

ちなみにガイド付きで更なる優待特典のある約200ドルのチケットもありましたよ。

先ずはガイド付きの電車風バスに乗ってスタジオ内を一巡り。



途中壊れた橋の上で電車ががっくんとなったり、
ジョーズが近づいてきて水しぶきをかけられたり、
暗いスタジオの中で地下鉄事故の現場に遭遇したり・・・

いろいろな撮影のトリックを見せてくれました。



たとえばこれはトゥルーマンショーをはじめいろんな映画で使われた海です。
でも実際は、こんな感じ。


スタントマンのショーもさっすが!という感じで、
本物の飛行機まで飛ばすショーにただもう口をあんぐりでした。



ユニバーサルの説明を全部するには何ページも必要です。
そしてあんまり詳しく説明すると、
これから行こうという方たちの邪魔になりそうなのでこのくらいにしておきましょう。

乗り物・絶叫マシーンもいくつかありましたが、
なんと知らずに乗ってしまった絶叫マシーンがあったのです。
有名な映画の撮影トリックを見るものとばかり思い込んでいたのに、
途中で真っ暗になり、(それだけでも怖いのに)いきなりジェットコースタに変身!
しかも先は行き止まりで、後ろ向きに帰っていくという信じられないものに乗ってしまいました。
声がかれるほど叫び続け、何とかそこから無事脱出できました。


すでに何度もここを訪れながら、
まるで初めてのようにわれわれに付き合ってくれた
ロスの友人ご夫妻にに改めて御礼を言わせてください。
眞璃子さん、ありがとう、とっても楽しかったです!







買い物 (7月16日 土)

土曜、日曜はやはり遊園地はどこも込み合うので、
近場でお店を覗いたり、目指す買い物をしようということになり、
先ずは陽介がほしがっているCDを買いに行くことにしました。

イタリアはどういうわけかこういうものがやたらと高いのです。
昨年もロンドンで、たくさん仕入れました。
PS用のゲームなどもロンドンでは2割りから4割程も安いものがありました。
イタリア語への翻訳が必要でないということもあるかも知れませんが、やはり、その差額は大きいです。

さらに品揃えが違います。
息子はヘビーメタルが好きなのですが、イタリアではもはやそんなに人気がなく、どこへ行っても品薄です。

だいたいCDを扱うお店そのものが少なく在庫量も限られていますから、
広いお店一面にきちんとアルファベット順にずらっと並んでいるのを見ただけで幸せな気分です。

私もなんとカーペンターズを見つけました。(笑)

その店で、iPodというのを見つけた息子は「これいいんだよねぇ。」
私は全くその存在を知らなかったのですが、
すでに友人の息子さんもお持ちで、彼女も欲しいということで、
「イタリアではまだ高いんだよぉ。」という息子の言葉に衝動買いをしてしまいました。
しかも二つ。
もちろんひとつは主人へのお土産です。

私も若い頃はウォークマン(旧いなァ)をいつも持ち歩いていましたが、
最近では車に乗っていてもラジオもCDもかけないときがあるくらい、
音楽に無関心というか、別になくても平気になりました。

でも、我が家の男達は音楽なくして生きていけない人達です。
しかも一番小さいiPodは100円ライターほどの大きさなのに
250曲も収録できるなんてホントに驚きです。
小ささが気に入って主人にはこれを買いました。

息子はもう少したくさんの曲を収録できる4GBだか6GBだかのを買いました。
思いがけない出費にあせりながらもいい買い物をしたと思いました。

でも今日はそれだけでは終わりませんでした。

そのあとでギターがこれまたずらっと並ぶお店へ行ったのです!
雑誌やテレビなどで見るようなかっこいいギターはうちの近所では見ることができません。

少し前にローマへも行きましたが、お店自体が少なくて・・・
「見るだけよ。」といいながら行ったのですが、実は内心買ってやろうと思っていたのです。

というのも、同級生ですでに14歳を迎えた子達は卒業祝いに原付バイクを買ってもらっているのですが、
(イタリアも子供を甘やかしていると思いますです。 ハイ)
うちの子は年末に生まれているので、まだ免許を取ることができません。

でもやはり何かお祝いをという気持ちがあったのと、
もうひとつ、息子はPSPという持ち運びができるPSのゲーム機が欲しいといっていたのです。

自分で貯めたお小遣いで買うからというのですが、もうこの秋からは高校生。
いつまでもそういうもので遊んでいるよりは、友達とギターを弾いてくれるほうが好ましいように思えて、
それをあきらめるのなら、差額を出してあげようと考えていました。

ただ、その差額があまりに大きくてはどうしようもないので、
お店へ行って好きなものを選ぶまで、買ってあげるとはいわなかったのです。

ですから、その店内で買うと決めたときの彼の驚きようといったらありません。
派手な表現はしない子ですが、何度も私の顔を覗き込んでいました。

その店では以前から探していたメタリカというバンドの楽譜も見つかり、
何度も新しいギターに頬擦りをしてホテルへ帰りました。



有名な観光地へ行かなくても息子は幸せです。
というのも、車が大好きな彼には普段見ることができないアメリカ車が
わんさかと通っているのを車窓から見るだけで興奮気味なのです。

何枚もの車の写真を撮りました。
歩いているときもこんな感じです。↓


今回滞在したのはロスのいわゆる中心部から南西のほうへ車で30分あまりの町です。
ですから中心部とはまた少し雰囲気が違うということです。

イタリアともずいぶん違いました。
なんとお店屋さんがないのです。

パン屋さん、八百屋さん、たばこやさん・・・
そういう小さなお店は一軒もありません。

ところどころにモールと呼ばれるショッピングセンターがあり、
洋品店などのお店はみんなその中に集まっています。

そして大型の電気関係、コンピューターなどのお店があり、
あとはこれまた大きなスーパーマーケットがあり、
食料品や日用雑貨はそのあたりにそろっています。

また、どこのお宅も庭の手入れが行き届いて驚いたものですが、
ガーデニングのための大型のお店もいくつかありました。
欲しくなるといけないのでなるべく見ないようにしてそういうお店は通り抜けました。(笑)

気候のいいところなので、いろんな種類の花が咲き乱れていました。
真冬でもほとんど霜など下りることがないそうですから園芸好きには天国のようなところですね。



バーベキュー (7月17日 日)

今日も日曜日なので、近場の散策をすることにしました。
午後には友人宅でのバーベキューが待っています♪

朝もゆっくりめに起きだして、ホテルから徒歩でいける距離にあるモールへ行きました。
ただ日曜日は多くのお店の開店時間が11時からということで、
まだ開いていないところが多かったのですが、
そのそばに「すしボーイ」という坊有名すしチェーン店があり、早速そこで昼食をとることにしました。

友人いわく、「ロスは日本の44県目」ということで、
日系をはじめ東洋の方たちがたくさん住んでおられるので、日本食にも事欠かないようです。

これはイタリアの田舎に住む私には本当にうらやましいことです。
イタリアもMilanoには、日系の会社が支社を置いていたりして
駐在員の方たちをはじめファッション関係で働く日本人などもいて、
日本食レストランの数もローマより多く、日系のスーパーなどもあるようですが、
今のローマにはアジア系の食品を置いている店に小さな日本食コーナーがあるくらいです。

ですからファーストフードのようなすしレストランでも興味がわくのです。
そして、入ってみて大満足。
シャリもピンと立っていて、ねたも悪くないし、料金はファーストフードのそれで、おいしくいただきました。
息子は一言だけ「わさびがいまいち。」
ただの練りわさびだったのです。

ハーフうどんというメニューがあり、
きつねうどんをちょうど半分にしてあって、あげも半分に切ってありましたが、
おすしの盛り合わせと一緒にいただくにはちょうどいい量で、
ロスに着てちょっと風邪を引いてしまった私には熱いうどんが何よりものご馳走でした。

息子もハンバーグと並んでおすしが好きなので、
ロスでの食生活は大満足。

ホテルに帰ってしばらくすると、友人の息子さんが迎えに来てくれました。
ホテルから程近い友人のお宅で、今夜は本場のバーベキューです。(嬉)
小高い丘の上の友人宅は見晴らしがよく、レドンドビーチという太平洋に面した砂浜が望めます。
周りの家もこじんまりとしながらそれぞれ庭の手入れも行き届いた閑静な住宅街です。

友人も庭仕事が好きな方で、何種類かのバラを始め、私が
名前を知らないきれいな花がたくさん咲いていました。
また、大きなレモンがたわわに実っているのにはうらやましい限りでした。

外食が続いたあとの家庭料理には言いようのない温かさと安らぎがあり、
友人のご主人が腕を振るったバーベキューは本当においしかったです!

心配していた猫ちゃんとも仲良くなれて楽しいひと時を過ごしました。


友人の息子さんは大学生ですが、ご両親とは敬語で話をして、えらいなぁと感心させられました。
もちろん偉いのはそのようにしつけをなさったご両親なのですが。

苦しくなるくらいたくさんのご馳走をいただいて、ホテルへ戻りました。

明日はいよいよ息子にとっての山場、
Galaxy対Madridの友好試合のサッカー観戦です!!!








ガラスの教会 (7月18日)
 


綺麗な教会でしょう。
ガラスでできた教会です。
山の中にひっそりと、自然と共生しているようなとっても素敵な教会です。
日本から挙式をあげに来る方も多いと聞きました。

また眼下には海が見え、廻りの花壇も手入れが行き届き
こんなところで挙式を上げる方たちがうらやましいくらいです。

この教会の近くには超高級住宅が立ち並び、ビバリーヒルズをしのぐとさえいわれているそうです。
ビバリーヒルズには俳優さん達が多く住んでいるので有名ですが、
住宅の豪華さではこのあたりのほうがすごいのだそうです。


そのあと友人は私たちを日系スーパーへ連れて行ってくれました。
中はまるで日本です。
薬屋さんには見慣れた薬や化粧品が並び、店員さんも日本人で、とても丁寧に接客してくれます。
イタリアの大名商売に慣れた身には恐れ入ってしまうほどです。
もう少し近ければ時々来るのになぁ。

いろんなものを買いたいけれど、やっぱり荷物が気になって、
自分としてはかなり押さえて買い物をしたつもりですが、
それでもスーツケースをひとつ余分に買うはめになりました。



さて、友人のご主人は大のサッカーファンで、
もちろん地元ロサンジェルスのGalaxyというチームを応援しています。
年間を通してのチケットを購入するほどの肩の入れようで、いつもいい席で観戦なさいます。

ちょうど人気のRonaldoなどがいるMadridとの友好試合にめぐり合った息子は
運がいいとしか言いようがありません。
そんな試合はめったにないということです。

イタリアでは残念ながらサッカーの試合ごとに乱闘騒ぎになるので、
あぶなかしくって競技場へなど行かせる気にはなりません。
アメリカではそんなことはないと聞いていたので、
息子はアメリカの映画で見たことのある大きな手袋を買って応援しいたいと期待していました。

私はかぜの具合がどうも思わしくないので、早めにホテルへ引っ込むことにしました。
ホテルでは日本語放送のテレビが見られるので、退屈することはありません。
大相撲を観戦したり、「義経」も初めて見ました。


予定よりも早めに息子は大きな手袋と、
ビニール製のバットのようなものを持って帰ってきました。

そうそう、友人が気を利かせて息子にGalaxyのウエアを
着せていてくれたので、なんと二人して大画面に映ったそうです。
そういうこともなかなかないことだと聞きました。

きちんと列を作って待つアメリカ人、
相手側が得点しても拍手を送るアメリカ人の姿がとても印象的だったということです。

きっと彼の生涯の思い出になったことでしょう。








サン・ディエゴ・シーワールド (7月19日)

サン・ディエゴと聞いただけでメキシカンな感じがすると思いますが、
今日はロスから南へ2時間ちょっと下ります。

メキシコとの国境までもすぐだという土地柄。
さすがにメキシカンなおばさんたちが目につきます。
かくいう私もひだのたくさんあるスカートをはいてちょっぴりメキシカンしています。(笑)

そのサンディエゴの海辺にシーワールドという遊園地があって、
イルカやシャチのショーを見せてくれるというのでやって来ました。

ほかの国にもこういうショーはあるかもしれませんが、
やはりショービジネスの世界ではアメリカが群を抜いているように思われます。
ユニバーサルスタジオのあとでは少し影が薄れるかもしれませんが、
そこはかわいいイルカやシャチが補ってくれることでしょう。

大駐車場は満杯状態で、車を止めてから入り口までかなり歩きました。
イタリアなら入り口付近に2重3重駐車になるところでしょう。

さて、ここでも先ず最初に園内を一望の下に見渡せる回転式の展望台へ上りました。

いくつもの大型の生簀やジェットコースター、そしてすぐ横に海が見えます。
またここは米海兵隊の基地でもあるということで、沖合いには軍艦が浮かんでいるようでした。

イルカとシャチのショーの時間を確認して空いた時間に乗り物に乗り、昼食を取り・・・
友人ご夫妻は日本から何度も親戚や友達が来るたびに案内なさっているので、慣れたものです。
段取りよく私たちを引率してくださいます。

もちろんわれわれの希望を最優先しながら・・・
確かイルカショーの前に昼食を取ったように思います。



イルカのショーでは前のほうに座っていると、
イルカの上げる水しぶきでビショビショになってしまいます。
暑いところなので、あらかじめそれを見越して水着姿でやってくる若者や子供たちもいるほどです。

若くてきれいな、そしてやさしそうで元気なお嬢さんたちが中心になってイルカショーは進んでいきます。
でも、始まる前に軍人さん方への感謝のメッセージがあり、
起立した軍人さんたちにみんなが拍手を送りました。

自分達の国を守ってくれる人達への当然の気持ちでしょう。


高いところが好きな私はもういちどロープウエイから遊園地を見ることにしました。
もちろん全員参加です。

その後シャチのショーを見て、われわれは旧いメキシコ風の町並みが残る
オールドタウンへと場所を移しました。
 




白い壁の教会と家々、大きなサボテンや鮮やかな色の花が咲くメキシコのような町。
お土産屋さんもメキシコ色一色です。

夕日が傾いてきたので、かねてよりお目当ての
おいしいマルガリータを飲ませてくれるというレストランへと向かいました。
待ち時間ができているほど人気の店です。

広いパティオで民族衣装を着たウエイトレスさん達を眺めながら30分ほど、
自分達の席へ案内されました。
何を置いてもマルガリータ。
メキシコのお酒、テキーラをベースにしたカクテルです。
女性にも飲みやすいので人気があります。
でも、ここのはまるで優勝杯のような大きな入れ物に入ってきます。

メニューを決めて、マルガリータがやってきた頃には
例のメキシカンな楽団がやってきて、そばで歌を歌ってくれます。
それがまた、雰囲気を一団と盛り上げるのです。

今夜は完全に観光客。少しチップをあげてまたリクエストをしました。

ピリッとしたメキシコ料理は普段から好きな料理の一つです。
おいしいお酒と料理と、楽しい友人達と音楽。
ほかに何が必要でしょうか?

大満足のうちにロスへと戻ってきたのでした。
ただ・・・まだ風邪が治りません。

明日の予定はナッツベリーファームという遊園地。
その翌日には、なんとグランキャニオンへ行くツアーに申し込んだのです!






ナッツベリーファーム (7月20日)

ディズニーランドの近くにナッツ・ベリー・ファームという遊園地があります。
ディズニーランドが日本ではあまりに有名なので、
ここを訪れる方は少ないと思いますが、もともと昔は広大なイチゴ畑だったんだそうです。
そこへイチゴを買いに来る人達、家族連れのために
子供が退屈しないような施設を作り始めたのがこの遊園地の始まりだそうです。


ご存知のように西部はゴールドラッシュでにぎわった時期があったのですが、
その当時の様子を再現した、トンネルの中をトロッコでめぐるというのが
ここの最初の遊戯施設だったそうです。

今も西部開拓時代を髣髴とさせる電車が園内を回っていたり、
(途中で西部劇でおなじみの賊が乗ってきてびっくりさせられました。)
サロン風の喫茶店があったり、ウエスタンショーを見たりして楽しむことができます。

かなり高いジェットコースターが全部木の枠組みでできているのもここならではの見ものだと思います。
残念ながら今日はそういう遊戯施設は最後に友人のご主人と息子が
水の中へジャボン!と落ちていく激流くだりに乗っただけで終わりました。

見るからに怖そうなものが多かったからです。
でも、たとえば前々からチャレンジしてみたかったフリークライミング。
セメントに石を埋め込んだ人口の崖っぷちをよじ登るのですが、
なかなか心身の健康にいいスポーツだそうです。
これに息子と二人で挑戦しました。

ただ、息子は中級コース、私は初心者コースだったので、
私のほうは簡単でした。長年の夢がかなって満足!!

ここ数日の間に3つも遊園地を巡って、もうしばらくはこういうところへ来なくていいわという感じです。(笑)

さて、明日はいよいよ小型飛行機でグランキャニオンへ・・・

 



グランキャニオン (7月21日)

今回の旅行で唯一の今日はグループ旅行です。
日系のエージェントが主催するグランキャニオン日帰りのたび。

ラスベガスあたりからだとたくさんこういうツアーがあるということです。
ロスからではいささか遠いのですが、飛行機のおかげで日帰りが可能です。

朝、8時半にホテルへ向かいに着ていただいて、
ロングビーチというローカル線や小型機や自家用飛行機の専用飛行場から出発します。

今日の参加者は8名。
新婚カップル、いい味が出てきたカップル、男同士の友人組、そしてわれわれ親子というメンバーです。
そこに2名の乗り組員、日本人操縦士と、同じく日本人の副操縦士は先ほどホテルへ迎えに来てくれた方、
グランキャニオンでのガイドもしてくださいます。

つまり全員が日本人だったというわけです。
(息子も今回は日本人のパスポートで参加しています。)

その総勢10名が乗ると機内は満杯。
狭い座席が2列だけの本当に小さな飛行機でした。

覚悟はしていたものの、これだけ小型になると気流にかなり左右されてしまいます。

しかも両翼の動きが一目瞭然、怖いとは思いませんでしたが、
揺れはかなりのものでいささか気分が悪くなりました。

この日は女性が3名いましたが、
あとで昼食時にトイレで話をしたら3人とも気分が悪かったとわかりました。

特に新婚さんは緊張もあるでしょうからつらかったでしょうね。

それでも時間に制限がありますから、飛行機を降りてすぐに昼食です。
まだ誰もいないところでバイキング料理をいただきました。

そのうち大きな韓国やタイなどのグループが来るからというので、
あわててお昼をいただきました。

食後はすぐさまミニバスでの観光です。
黒人の運転手さん以外はここもわれわれ日本人ばかり。

飛行機から降りたといっても3000メートルほどの高度から、
2千数百メートルの高さの地面に降りただけなのです。
なんとなく空気が希薄な感じがしました。

天気予報ではこのあたりの気温は49度なんていってたのですが、
幸いにも小雨がちらつき、いつになく涼しい日に当たったようです。

3日も続けてここに来ているガイドさんは、
昨日は本当に暑くてつらかったといっておられました。

観光は主にバスの車窓から、そして途中見晴台で2度止まり、
雄大な景色を眺めたり、足がすくむような崖っぷちで写真を撮ったり、
インディアンの居留地の説明を受けたり・・・

世界の7不思議といわれる景色を目の当たりにしたのですから来て本当によかった!!
欲を言えば谷底を歩いて、1400〜1600メートルもあるという岸壁を 見上げてみたかったのですが、
ここから谷底へ降りるにはヘリコプターに乗らなければいけないということでした。(ブルッ)


最後にこのあたりのインディアンたちの手によるいろんな作品が並ぶ
お土産やさんに立ち寄り、義妹たちにお土産を買いました。

息子と私は銅でできたブレスレットを買いました。
リュウマチによいと聞いて昔はそれを使っていたのですが、
息子の誕生とともに指輪をはじめ全てのアクセサリーが私の両手から消えてしまいました。
もう息子も大きいのだし、幸い好きなタイプが見つかったので、記念と実用をかねて買い求めました。

少し話が違うのですが、夏場に水を貯めると蚊が卵を産み付けるけど、
銅線を入れておけばそういうことはないと聞きました。

そこで、蚊にはいたって好かれる私なので、
銅製のブレスが蚊を遠ざけてくれはしまいかというはかない思いもあるのです。

あとは砂絵、悪夢よけのおまじない、ランチョンマットなどを買いました。
そうそう息子が素敵なベルトを買ったのですが、よく見るとラングラーの名が入っていました。(笑)

それと、機内サービスなど望むべくもないわれわれの飛行機なので、
小さなペットボトル入りのお水も買いました。

着いてすぐにガイドさんの説明で、このあたりでは水が貴重で、
水道水の価格がほかの6倍もするので、マックのハンバーガーが
全米いち高いと聞いていたので、ボトル入りの水も高いだろうと思い
小さなボトルを買っただけなのですが、値段もロスと変わらなかったし、何よりもとってもおいしい水でした!!


帰り、飛行機は来たときよりも揺れがひどく、大変な思いをしました。
持参していたビニール袋を用意するところまで行きましたが、何とかそれを使うことなく着陸しました。


今日のツアーで、一番よくしゃべっていたのは私たち親子でした。
「日本人ってなんて静かなの。」息子の感想です

 


災いは忘れた頃に・・・(7月22日)

今日は友人のご主人がお忙しいので、友人が運転する車で、レドンドビーチへ。

日本の方も良くご存知のサンタモニカを南へ少し下ってくるとここにたどり着きます。

その有名なサンタモニカまで海の際をサイクリング道路が続いています。


砂浜は自由に海水浴ができ、
しかもシャワーや更衣室などの設備が整っていて家族連れなどにはもってこいの環境です。

そばには遊覧船や漁船などが停泊するところがあり、少しばかりのお土産やさんも並んでいます。

ヨットハーバーには魚の市場があって、
イタリアでは見られないタイプの大型のかに(ズワイガニ?)などが並んでいて、
あるいはイタリアでは目が飛び出るほど高価なイセエビなども並んでいて、
しかもそれらをその場で調理してくれるというので、舌なめずりをしていたら、
なんと蜂の巣の駆除が始まりました。

蜂は雑食で、魚だって何だって食べてしまいますから、
都合のいい場所に生えているやしの木のこずえにたくさんの大きな巣を作ったようです。
市役所から派遣された駆除の係りの人が鉢に攻撃されながらも噴霧器で巣を落としていました。

せっかく楽しみにしていた魚市場でのお昼ですが、タイミング悪くこういうことに出くわしたので、
少し野趣にはかけますが、ちょっと離れたイタリアンレストランでお昼を食べることにしました。

トニーという名のレストラン、入るとすぐトニーさんかな?と思える人物が
メニューを片手に立っていたので「ボンジョルノ!」と声をかけましたがどうやらイタリア語は苦手なようです。
日系でもそうでしょうが2世3世になると母国語ができない人が多いようです。

料理はとてもおいしかったです。
もちろん本格的なパスタなどは避けましたので・・・(笑)

海に突き出したこぎれいな建物の中、友人と息子との静かなランチタイム、
旅も終わりに近づいてきています。


食後はまたしても?買い物。
といっても息子が昨年ロンドンで買いたがっていたナイキのシューズ。
イタリアでは3倍くらいの価格です。
昨年は飛行機内への手荷物だけで旅行するのが目標だったので、
買い物は極力避けていたのですが、今回はすでにトランクも買ったことだし、
かさばる靴も1足ぐらいはとOKを出しました。

でも・・・なかなか思う靴がありません。
いえ、目当ての靴は決まっているのですがサイズがないのです。
靴だけはサイズが合わないとどうしようもないので、3軒回ってやっとちょうどいいのが手に入りました。

3軒といってもそれぞれ車での移動です。
こういう面倒なことに付き合ってくれるのも友達ならでは。
しかも同じように一人息子を持つ彼女には息子の気持ちが良くわかるようです。

やっと目的を果たしたので早めにホテルへ帰って少し荷作りをしました。
最終日の明日はいよいよハリウッド見物です。

ひとつのスーツケースには衣類を全部収納。
もうひとつのスーツケースの中身はほとんど日本食です。

これと小さな手荷物だけという軽装です。
夏場の旅行はこれがいいですね。


今夜は焼き鳥やさんへ連れて行ってくれるというので楽しみにしています。
友人の息子さんはアルバイトをしていて今回あまり合うチャンスがありませんでしたが、
今夜は彼も同席ということで息子はすっかりお兄ちゃんができたようで楽しみにしています。


息子には初めての、私には20年ぶりの焼き鳥屋さんです。
のんべの私はこういうところでいろんなものをつまみながら冷えたビールをいただくのは最高に幸せです。

幸せな夕食を終えてホテルに着きました。
しばらくして「割きイカを食べてもいい?」という息子に
割きイカをトランクから出そうとして、トランクが開けられ、衣服が乱れていることに気が付きました。
はっとして部屋中を見回すと・・・

デジカメ・携帯電話・サングラス・MP3プレーヤー・現金・がありません!!!
デジカメは夕食に出るだけだしいらないだろう、バッグも重たくなるしと思っておいて行きました。
携帯電話は事実上使えなかったのでいつもホテルにおいていました。
現金はほとんど使っていたのですが、
浪費家の私がホテルの支払いの分に手をつけてはいけないと思い、その分だけ置いていったのです。

そういう貴重品をホテルに置いて出た私が悪いのです。
イタリアに住んでいるというと、
まるですりや泥棒の中で住んでいると思っておられる方がおいでのようですが、
実はすっかりのどかな生活に慣れてしまっていたのですね。

空き巣だから、侵入を防ぐことはできなかったとしても
それらを持って出ていれば最小限の被害で済んだものを・・・。

夕食後にやっと家にたどり着いた友人達を電話で呼び出して来てもらいました。
今は冷静に書いていますが、その瞬間はかなりショックを受けてしまって
何はともあれ友人に電話をしてしまったのです。
いろいろお世話になりながら
最後にこんなことにまで付き合わせてしまって本当に申し訳ないと思っています。

息子も初めての体験でショックだったようです。
それでも警察官の質問に一人でちゃんと答えてくれていて、助かりました。
息子がずいぶん頼もしく見えました。

最後に署名を求められたときに息子は未成年だから私がしましょうかといったら、
警察官はその必要はないといいました。
ショックで気分が悪くてベッドに横たわっていた私なんかより
冷静に質問に答えていた息子のほうがずっと大人に見えたのでしょう。(笑)


友人の計らいで部屋を変えてもらい、眠れぬ夜をすごしました。
皆様にも警告、災いは忘れた頃にやってくる・・・・

(というわけでナッツベリーファームとグランキャニオンの写真がありません。)

 



ハリウッド (7月23日)

ロサンジェルスの滞在も今日が最終日。
最後の最後にハリウッドへ参ります。

大好きなブルース・ウィリスの家を見てみたいといったら
友人のご主人はあちこちへ電話をかけて調べてくれましたが、誰も知りませんでした。
これでよかったのです。
まんがいち彼の家の前を通りかかった時に、
奥さんにぼろくそに言われながら庭の芝生に水でもまいていたらがっかりですから。(笑)

昨夜の事件でちょっとおなかの具合が悪くなりました。
ショックがおなかを直撃したようです。
出かける寸前までトイレに駆け込む、という情けない状況です。
でも、ある意味一番楽しみにしていたロスの市内観光ですからがんばります。

ホテルから海辺沿いの道を北上しました。
-レドンドビーチ
-ヘルモサビーチ
-マンハッタンビーチ
そしてマリーナ・デル・レイというスペイン語の名が着いたところで一休み。
イタリア語でもマリーナ・デル・レ(王の海辺)というので親近感が沸きます。


ご覧のようなかわいいヨットハーバーです。

ここでもトイレに走りこみ、次の目的地へ。
そうそう、友人が自分達のデジカメを貸してくれたので、こうして久々にイメージをお届けできました。

アメリカには世界中のいろんな地名がついていますが、ヴェニスもありました。
サンタモニカのひとつ手前、アーティストが好む町だそうです。

さていよいよ有名なサンタ・モニカにつきました。
でも、車を降りて歩く元気が出ません。
せっかくの友人のご主人のお申し出を断り、車窓からの見物にとどめました。

時折、昨夜のことが頭をよぎります。
何より心配なのは、主人にどう報告して好いのやら。
申し訳なさでいっぱいです。
結構雷親父なので、どんな雷が落ちるかと思うと・・・
そして体調は、かなり不調です。


サンタモニカでぐっと右折して内陸部へ、ハリウッドへ向かいます。
高級なお店が並ぶ通りに入り、そこを突き抜けてビバリーヒルズを上り始めました。
すぐに車が止まったので何かと思ったら、かつてあの有名な
マリリン・モンローが住んでいたうちを見せてくださいました。
残念ながらそこまでで車はまた下り始めました。

次の目的地はハリウッドです。

ショッピングセンターの駐車場に車を止めて、向かうはハードロックカフェ。
そろそろ腹ごしらえの時間です。

T-シャツの品質は私はだんぜんプラネットハリウッドのほうがいいと思いますが、
食べ物は余りたいしたことはないと聞いています。

ハードロックカフェの店内。


所狭しとかつての、そして現役の有名なグループや歌手達の
ゴールデンディスクやギターや衣装やさまざまなものが並んでいて、ちょっとした 博物館のようです。

ウエイトレスに案内されて席に着き、メニューを見るとやっぱりここにもハンバーガー。
私はシンプルなステーキを注文しました。
私ぐらいの年代にはアメリカの代表的な食べ物といえばステーキなのです。
今は言わずとしれたハンバーガー。
(ハンバーグステーキではありません。パンにはさんで食べるハンバーガーなのです。)

ウエイトレスがプロ意識に徹していて気持ちが良かったです。
子供の客が退屈しないように一緒に踊ったりして雰囲気を高めます。
また、飲み物がなくなるとすぐにお変わりを持ってきてくれます。

みんなおいしかったです。
正直言ってあまり期待していなかったのですが、とってもおいしかった。

さて、食後はT-シャツコーナーへ。
昨年ロンドンではついに買えなかったので、今回は絶対に手に入れたかったのです。
友人たちも昨日のことでしょげているだろうと、息子に一枚プレゼントしてくれました。
息子は父親に一枚選んでいました。

そこからほんの少し車で移動して、大きな地下駐車場に車を止めて地上に出ると、
歩道には有名な人々の名が星型の中に刻まれています。

どういう人達なのかということを、たとえば映画監督ならば
撮影用のカメラのマークで知らせてくれています。

ワンブロック歩いたところに中国風の建物があり、その前でみんなが地面を覗き込んでいます。


そうここがあの有名な・・・
場所の名前は覚えていませんが、有名な映画館の前の広場に、
寄りぬきの俳優さんたちが手と足の型を残し、サインをしているのです。
写真はアル・パチーノ(イタリアではパチーノなのです)のもの。
大好きなアル・パチーノの手のサイズが自分と同じだと息子は大喜び。



イタリアを代表するソフィア・ローレンとマルチェロ・マストロヤンニは仲良く隣り合わせに並んでいました。
もちろんめざすブルース・ウィリスのも見つけました。
順不同に並んでいるのでなかなか探し当てるのは大変です。
強い日差しに地面はとっても熱いので、写真を撮るのも一苦労。
やっとハリウッドへ来たぞ! と大感激。
でも・・・体調は相変わらず。
後ろ髪を引かれる息子にはすまないけれど早々に引き上げました。


このあとはホテル近くの日系スーパーで日本風夏祭りのイヴェントが待っています。
金魚すくいなど、話しては聞かせていてもきっと想像するのは難しかったでしょう。
初めてそういうものを見ることができるのです。

このスーパーには新鮮な野菜や魚や日本の食べ物がわんさかと並んでいて、
ここに住む日本人がとってもうらやましかったです。
友人がお土産にあれもこれもと買ってくれるのですが、何しろとランクはほぼ満杯。
なるべく見ないようにして通り過ぎました。(笑)

そして表では日本の夏祭り。
浴衣を着た子供たちもたくさんいて、息子は楽しんでいます。
ヨーヨーつりと金魚すくいに挑戦しましたが、どちらもだめでした。
射的は得意なので、係員を驚かせていました。

このスーパーで買った新鮮な材料で今夜は友人がパエリアを作ってくれます。
食いしん坊(量ではなく質において)の友人は料理が得意、楽しみです。


眼下にきれいな夜景を望みながら最後の夕食、
友人の息子さんも一緒に揃って期待通りのとびきりおいしい夕食でした。

眞璃子さん、ありがとう!

 

帰国 (7月24日)

いろいろありましたが、あっという間の10日間。
友人ご夫妻に最後の最後までお世話になって空港へ送っていただきました。

ローマの空港に比べると別世界のようにオープンな空港。
ただ、息子がこの瞬間ほかの何よりも大切なエレキギターを機内に持ち込ませてくれません。
このギターを買ったときに友人が店員さんにそのあたりのことを質問してくれたのですが、
彼はいつも持ち込んでいるということでしたし、私もかつて飛行機の中で
楽器だけは特別扱いで大きくても持ち込んでいるのを見かけていたので、
あまり心配はしていませんでした。

でも・・・あの事件(9月11日)以来、世界のいろんなことが変わってしまったのです。

もしかしてファーストクラスなら持ち込めたかもしれないという思いはありますが、
今更言ってもしょうがないことです。
そして、ファーストクラスなど夢のまた夢です。

飛行機会社の担当員は段ボール紙をくれて、それで梱包し、
着いたときに破損があっても文句を言わないという署名をしろというのです。

これでは不安でとても大切なものを送ることは出来ません。
そこでまたまた友人ご夫妻に頼んで後日保険つきで送ってもらうことにしました。
最後にまた、小さな鉛だまを飲まされた気分です。

息子はきちんと梱包して保険つきで送るということで納得しましたが、
やはり、帰国したら真っ先に弾いてみたかったでしょうし、友人にも見せたかったでしょうに。

私はまた別の心配です。
小さな小包でも輸送費が高いのに、こんなに大きなものを
保険つきで送るとなるといったいどれくらいの出費になることやら・・・
でも今は帰国することを先ず考えなければなりません。
主人にもうひとつ大目玉を食らうことを覚悟して機内へ。

行きのアトランタからロサンジェルスまでは息子と前後の席しか取れなかったので、
話しをすることも出来ず退屈してしまいましたが、今度は隣同士。
いろいろな思い出話をしているうちにアトランタに着きました。

でも、息子と話をしながらもわたしの頭の中には大きな心配が渦巻いていて気はそぞろだったのです。
ですから自分達の乗った飛行機の到着が予定をかなりオーバーしていることなど全く考えもしませんでした。

出発前の予定では約1時間の乗り継ぎ時間があったので、
空港内をゆっくり歩いていたのですが、どのゲートか確認した息子が大慌て!
飛行機の離陸までわずか5分に迫っていたのです!

それからゲートに向けてダッシュ!
と同時にわれわれの名を呼ぶアナウンスを聞きました!!!
とりあえず息子を走らせてカウンターの係員に存在を知らせ、なんと今回もぎりぎりセーフでした。

ローマ行きの機内にはイタリア人がわんさかと乗っており、
送れて乗り込んだ私たちに冷やかし交じりの歓迎をしてくれました。

行きはどんどん明るくなったのですがかえりは反対ですぐに真っ暗闇になりました。
ながいながい一夜でした。

ローマの空港に着くと、出国のところには
夏のバカンスをイタリアで過ごそうという人たちで長い列が出来ていました。

特にアラブ・アフリカ諸国の人たちにはどうしても尋問が長引きます。
ずいぶん待たされてやっと外に出たものの荷物がやってきません。
同じ飛行機に乗っていた人たち全員がいなくなってしまったので
インフォメーションへ行くと、荷物は乗り継ぎに間に合わなかったということでした。

意外にも親切で、てきぱきとした係員に書類を作ってもらって、やっと外へ。
インフォメーションで待っている間に、息子を先に外へ向かわせました。
まだ盗難事件を知らない夫はおそらく携帯でわれわれを探していることでしょう。
しかも荷物の件ですっかり遅くなってしまいましたから。

やっと外にでてみたら二人の姿が見えません。
あちこち探しても見つからないので、仕方なく公衆電話用のカードを買いました。
そのカードで電話ををかけようと公衆電話を探しているときに二人を見つけました。

なんと切り出そうかと考えている私にむかって息子が言いました。
「もう、みんなパパに言ったからね。」

すぐに夫に向き直り 「ごめんなさい。」

「いいよいいよ、君達が無事に戻ってきてくれたんだから。」

体の力がいっぺんに抜けてしまいそうでした。
わたしたちがロスにいる間に、イタリア人もよく行く北アフリカのリゾート地で
またもやテロ事件があり、たくさんの犠牲者がでていたのです。

そういうことを考えたら金品の被害なんて問題じゃないと思ったのでしょう。
その足でローマ近郊のカステルガンドルフォ湖という湖のほとりのレストランへ夕食に向かいました。

久々のローマはむせ返るほど暑かったけれど、
深い緑とおいしいイタリア料理はやっぱり最高のご馳走でした。
何よりも家族が揃ってというのがいちだんと心を満たしてくれたのかもしれません。

                          Keiko